4号機改への道:Part1

残念ながら、私のエアロポニックスへの挑戦は失敗に終わりました。一度引き下がりますが、このまま水槽を遊ばせておくつもりもありません。4号機の改修計画を実行します。

改修の要件

  1. 容器への穴あけ加工をしない。
    穴をあけるということは融通が効かなくなるということ。
  2. 繊細な部品を多用しない。
    ミストノズルのような条件がシビアなものはもう使いたくない。
  3. 重くなりすぎない。
    3号機は重量過多で歪んだ。

上記の要件を踏まえた改修をおこないます。シンプルで、後戻りや調整をしやすいままに組み上げるのが理想です。

湛液型水耕栽培を採用

繊細な部品が不要な栽培方式ということで、今回は湛液型水耕栽培を採用します。栽培容器にポンプで送水し、一定量以上まで溜まったらオーバーフローでポンプ側に戻す構造になります。この手法は3号機でも運用をしていたのですが、オーバーフロー用に穴あけ加工をしていましたし、容器をほぼ満水にしていたことで重量過多を引き起こした問題児でもあります。機構自体はシンプルなので繊細な部品は使用しませんので、要件2はクリア。要件1&3は要対策です。

穴あけ加工不要のオーバーフロー

容器に穴を開けず、安定したオーバーフローをする。そのためにこんなものを作成しました。ダブルサイフォン式オーバーフロー管です。発案者が特許を取得していますが、図面が公開されており、個人で使用する分には問題がないということで参考にさせていただき、自分用にアレンジしました。サイフォン式ということで、純粋なオーバーフローのように溢れさせるのではなく、吸い出す格好になります。

  • 水槽の縁にひっかけるだけで良く、穴あけ加工が不要
  • エア噛みでサイフォンが停止するリスクがない
  • 万が一送水が停止した場合でも送水さえ再開すれば勝手に再始動する

オーバーフローとサイフォンのいいとこ取りのような性能をしていますが、唯一の欠点は目立つこと。観賞用水槽ならいざしらず、水耕栽培に使用する分には全く問題ではありませんね。

ポンプを接続して試運転をしました。サイフォンブレイク後の再起動は成功。1500LPHの送水量にも対応できています。動作には若干癖があり、サイフォン復帰時に本気モードになるまでにタイムラグがありました。再起動中は一時的に水位が上昇し、本領発揮してからは排水量が勝り設定水位を維持するという動作になりました。

重量の問題

  • 水量が多ければ多いほど安定する
  • 容器が大きければ大きいほど根にゆとりが持てて大きく育つ

湛液型水耕栽培の考え方としてわたしはずっと上記の様なことを考えていました。そういう考えだったので80リットルのプラ舟をほぼ満水にしていて、水深は20cm弱ありました。そしてその重みで設備を破壊してしまいました。なので今回は水量を減らしてでも重量を抑えなければならない…。と悩んでいたのですが、ふと思いました。

市販の水耕栽培容器の水深は?

ということでメジャーどころのホームハイポニカを調べて見たら、なんと21mm+表面張力5mmだって言うんですよね。まじかー。そんな浅くてもいいんだ。

考えてみれば、避難させた苗も、水深が浅いほうが調子が良さそうだった…。浅いことで酸素が取り込みやすいのかもしれない。なんだよ、そんなに浅くても平気なら重量なんて大したことないよ。ということで重量問題はあっさり解決。逆説的に、栽培容器もあまり深い必要が無いと判明しました。

4号機のスペースをフル活用できる、浅くて広くて四角い容器を探したところヒシコンテナ:TP-4122Bという商品を見つけました。幅1340mm x 奥行き503mm x 高さ195mm というドンピシャサイズのツールボックスです。これにダブルサイフォンの下限ギリギリの水位…約50mm程度か?で水を張れば、完璧ではなかろうか。

一応屋外で使用するので、耐候性を高めるために亜鉛メッキスプレーと高耐久ラッカースプレーのコンビネーションを施そうとしたのですが、オールドグリーンの在庫が途中で切れてしまったので一時中断となりました。

オールドグリーンの塗料は追加で発注をかけました。次回は塗装の再開から完成まで持っていけるといいな。

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